飛ぶ。咲く。走る。
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「私のボランティアしてみない。」

2013年7月6日   

出国97日目
8カ国目インドのコルカタにいます。

マザーハウスでのボランティアにはほんとにいろんな人がいるねんけど。
その中に、日本人の60歳くらいのおばあちゃんがいて、
おばあちゃんっていっても、すごく元気で、厳しい人で。
みんながバスで一緒に向かっている中ひとりでスタスタ先を歩くような、
なんていうか、私は私、の頑固さを貫いていて。
リハビリの方法を教えてもらう時も、全部説明されるわけじゃなくて、
一言一言から、それが何を意図してるのかを読み取る必要があって。

普通にボランティアをしているだけじゃあんまり話をすることがなさそうな人ねんけど。
僕はリハビリの方法などを教えてもらう関係で、その人と怒られながらもよく話していて。

そのおばあちゃんが、休憩時間にふと、
「このあと私のボランティアしてみない。」と、
まるで肺の底に溜まっていた空気を全部吐き出すように言い切って。

何をするんだろうとか、どこでするんだろうとか、他に学校とか掛け持ってるのかなとか、
あれ、そういえばこのおばあちゃんはここへ来る前は何してたんやろとか。
突然の問いかけに、次々と浮かぶそんな疑問符を全て追い抜くかのように、
「いいですよ。」と気づけば答えていて。

何をするかわからないままボランティアを終え、その後一緒に施設をでたくらいで、
「メールってよくわからないのよね。」と、おばあちゃん。

どうやらいろいろな人からのメールを確認しないといけないけど、
どうすればメールが確認できるのか、どうすれば返信できるのかがわからないらしく。
それじゃあ、と一緒にインターネットカフェへ入って。

何のメールを使ってますか。
あーたぶん、○○っていうやつだと思うわ。
パスワードって覚えてますか。
あー前になにかメモした気がするわ。
たぶんこれで見れるはずですねー、未読が20件たまってますね。
まー、そんなにきてるの、そうしようかしら、一番上から見せてもらえる?
○○さんて方からですねー。
あらー、早く返さなくっちゃ、もしよければ、私の代わりにメールうってもらえない?
いいですよ、なんて返信しますか?
そうねー、、、

みたいなやりとり。

なんだかすごくほっこりする時間で。

なんていうか、
「私のボランティアしてみない。」
こういう台詞が溢れる世の中って、素敵だと思った。

どんなに強情でも厳しくても強がりでもいいから、
この台詞が言える人が増えればいいと思う。
もっといえば、
どんなに強情で厳しくて強がりな人でも、
この台詞が言えるような、そんな世界になればいい。

困ったなら、頼る。それが当たり前にできて、そして誰かが当たり前にそれに応える。
そんな世の中って、素敵だと思う。ヒーローになりたい人っていっぱいいると思うねんな。

メールの返信が全て終わった後、別れ際に、
「まーいろいろしてくれたけど、なにもあげられないけどね。」と、おばあちゃん。

その言葉が「ありがとう。」だと読み取るのは、簡単すぎる。

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