飛ぶ。咲く。走る。
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夕日が照らす、東の空から昇る月。

2013年7月23日   

出国114日目
8カ国目インドのパンゴン湖にいます。

パンゴン湖はインドと中国との国境、標高4250mにある湖。
レーからは日帰りや、1泊2日で車をチャーターして行けるみたいで。
車をチャーターっていっても、旅行者がけっこういるから、
各旅行会社に「何月何日に行きます!」みたいな張り紙がしてあったり、
町中を歩いてると「明日行きませんか?」みたいに声かけられたりもするねんけど。

どうやっていくか迷った結果、カルドゥン・ラへいった時のバイクのわくわく感がすごかったのと、
バイクでもだいたい6時間くらいで行けるよってことだったので、今回もレンタルバイクで向かうことに。
160kmくらいの峠道みたい、どきどき。

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景色も天気も、相変わらずよくて。

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道は半分くらいは舗装されてるけど、
あとは砂利道、山道、川みたいなところをびゅびゅんと。

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途中5000m程度の峠も越えながら。

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ほんまに気持ちいいなー景色きれーやなーと思いながら、
何もないな誰もいないな快適なスピードで、みたいなかんじで口ずさんでると、
急に目の前に川が現れて、まー、ぼーっとしてて気づかへんただけやけど、
気づいたときにはもうこけていて。

両腕両膝から血がでてたから、とりあえず洗わなあかんなーって思って、
川で右腕洗ったあと左腕洗ってたら、右腕からまた血がでてて、もうっ!て思いながらまた洗って、
その後両膝洗ってたら気付いたら両腕からまた血がでてて、またもうっ!ってなって、
あー手も足も出ないってこういうことかー、って思って、
まー血は手からも足からもでてるねんけどなー、って思って。
…要はそんなことを考えられるくらい体もバイクも無事でよかったってお話。

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で、まーそうはいっても痛いもんは痛いからすこし休憩してると、
近くに車が止まって、オーストラリアからきた男女7人組で、
なにこれただただうらやましいやつやん、と思ってると、声をかけてくれて。
「どうしたの?」
「ちょっとバイクでこけちゃいました。」
「だいじょうぶ?薬とかもってる?」
「持ってないです、、とりあえず川で洗いました。」
「ちょっとまってね、誰か薬もってない?貸してあげて。ちょっとそこ座って。」
「すいません、ありがとうございます。」
「君もパンゴン湖いくの?私たちもこれから行くよー。ウイスキーとか飲める?いっぱい持ってきたから後で飲もうよ。」
「ウイスキー大好きです。わーありがとうございます。」
みたいなやりとり。

なんか痛みとかそんなんどうでもよくなって。
すごいなって思った。ちょっとだけ、こけてよかったのかも、とすら思った。

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そんな優しさのおかげで、どうにか日が沈む前には辿り着けて。
東京から5782km。

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宿っていうかテントも簡単に見つかって。150ルピー。

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パンゴン湖あんまり期待はしてなかってんけど、けっこうきれいでびっくりした。

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満月っていうタイミングもあって、夕日が照らす東の空から昇る月が、また。

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そのまま暗くなるにつれて、月の存在感も際立って。
これで自分で光を放ってないっていうねんから、すごいと思う。

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天気のいい日に景色のいい道を走るそんな楽しい毎日でも、
やっぱりうまくいくことばかりじゃないし、時にはバイクでこけて怪我をするこんな日もあるけど、
でもそんな時だからこそ、際立つ嬉しい光を感じることができたりもして。
そしてそれは往々にして周りにいる誰かのおかげであることばかりで。

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なんていうか、そういう風に誰かの心をそっと照らすことのできるような人になりたいし、
照らされたときに、きちんとその光で輝けるような人でありたいと思った。

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