この日一番感じてたのは。
出国169日目。巡礼開始3日目。
17カ国目スペインのログローニョにいます。
初日は、サンジャンピエドポーからロンジェスバージェスまでの28km。
ピレーネー山脈を越えるこの道は、当たり前だけどアップダウンが多くてすごく疲れたけど、
初日ならではのわくわく感と、なによりも天気、景色がよかったのもあってすごく楽しくて。
もちろん、ロンジェスの宿に着いた時には明日から歩けるんかなくらいの疲労感で。
でもそんなことよりなにより、いよいよはじまったなーっていう期待感かな、この日一番感じてたのは。
2日目はロンジェスバージェスからスビリまでの22km。
前日より高低差もなければ距離も短かったので、疲れを感じながらもなんとか。
初日みたいにすかっと晴れることはなかったけど、それはそれで雰囲気がでてよかった。
サンティアゴ・デ・コンポステーラまで790kmという距離に改めて愕然としたり。
巡礼カメラマンに写真を撮ってもらったり。
いろいろあったけど、続いてる道ってすごいなっていう驚きかな、この日一番感じてたのは。
3日目の今日はバスでびゅびゅんとログローニョまで。
40日かけて全行程歩きたい気持ちはあったけど、今回は7日でゴールしないといけないので、早速歩かない1日。
途中牛追い祭りの町パンプローナに立ち寄りながら、夕方くらいにログローニョの宿へ。
ここログローニョは美食の町とされていて、小道に立ち並ぶバルを何軒かはしごする、なんて洒落たことを。
してみたくなったのにも理由があって。
29歳になりました。そう、誕生日。
祝ってもらえるのはやっぱり嬉しい。
どういう一年にしようかなって考えたときに、
こうなりたいなってのは、いっぱいあるけど。
その中でもこの1年は、喜怒哀楽を大切にしたいなって思った。
ぐるりと世界をまわるこの1年。
これまでにないような感情の動きがきっとあって、
そのなかで感じる喜怒哀楽を全部ばちんと受け止めていきたい。
喜びに逃げ込まず、負けるかもしれないからこそ挑んで、
怒りをごまかさず、そのうえで人を許せる人でありたい。
哀しみは大切に受け止め、かといって過剰に演じず、
楽しい日々に感謝して、忘れず、飾らず、求め続ける。
そんな向き合い方ができるように、なりたいな。
歩いて進む毎日の中で、
山道をしんどいと思ったり、でもやっぱり景色がきれいでいいなと思ったり。
あれもこれも持ち歩きたいなと思ってわくわく荷物を詰めたり、でもそのリュックの重みをふと疎ましく思ったり。
いろいろあるとは思うけど、
この1年はやっぱり、しっかり歩いて進もうと思う。
ごまかさずに、全行程を、歩いて行こうと思う。
疲れたらふと立ち寄ったその町の小道に立ち並ぶバルを何軒かはしごする、なんて洒落たことを。
してみようかな、そんな29歳の始まりの日。
世界一周にでて、ひとりになったつもりで、遠くまできたつもりで、
それでも誕生日は友達とすごせて、ワインを飲めて、
宿に戻って、みんなからのメッセージを読んで、うるうるする。
やっぱりひとりにはなれなくて、嬉しい。
そんな感謝かな、この日一番感じてたのは。