空を歩く方法。
出国326日目
30ヵ国目ボリビアのウユニにいます。
ウユニ塩湖は雨期にはうっすら水が張って世界最大の鏡になる、
そんなオシャレで素敵なところ。
せっかくならまだ水鏡がみれるうちに。
ってことで、雨期が終わる前に、
ブエノスアイレスからバスで40時間かけてぐぐんと北上。
で、辿り着いたウユニ。
町自体はとても小さくて、ゆるりとした雰囲気。
そこから車で1時間ほど走ると、見えてくる塩湖。
ここウユニ塩湖は10000㎢にも関わらず高低差が50cmしかなくて。
だから白色が広がって舞台になって。
だから水も広がって鏡になって。
鏡ばりの景色は、やっぱりきれいで絵になる。
いろんな写真を撮りながらはしゃぎながらずっとふわふわしていて。
なんでこんなにふわふわするのかを、ずっと考えてたんやけど、
ふと、地面がないからじゃないかなって思った。
僕らの目の前にはいつも地面が広がっていて。
それはアスファルトやったり、草原やったり、グラウンドやったりするねんけど。
いつも、足元には地面があって。踏みしめている感覚もあって。
でもここウユニに立つと、地面は消える。
空を歩いているような、車すら空を走っているような、そんな錯覚があって。
高低差をなくすことで空を歩ける、って、なんかいいなと思った。
地に足をつけてしっかり考える、もちろん、それは必要で大切なことだけど。
時に、なにもかもを放り出して、ふわふわと浮ついてはしゃぐ。
そんな時間もいいんじゃないかな。
そして、ふわふわと空を歩くのに必要なのは、
今いるところから高く飛び上がることじゃなくて、
今いるところと同じ高さを広げることなんやろな。
手に入れることのできないものを見上げなくてもよくて、
もう手にしているものを並べれば空は現れる。
空を歩くのって結構簡単かもしれないな。
みたいなことを、ふわふわと。
ここに立つと、思考までが空を歩く。