羽を揃えて。
出国147日目。
12カ国目エジプトのシャルムエルシェイクにいます。
ダハブでゆるりと過ごしている中で、
シャルムの海もすごいきれいだよ、って噂を聞いて。
エジプトはシャルムの空港outってのもあって、最後の2日だけ移動することに。
いろんなご縁がここにもあって、
シャルムに住む日本人のアリアさんという方に、2日間まるっと何から何までお世話になって。
これがほんとに何から何まで。
おじゃましまーすと、出会った10分後には3色丼を頂いて、
シャルムのいろいろな海に連れて行ってもらって、
朝昼晩とめちゃめちゃ美味しいご飯をごちそうになったうえに、
食後にはこれまで食べたことのないくらいおいしいブドウや、マンゴーを頂いて。
スペインへのフライトが早朝で、朝4時にアリアさんちを出発したんやけど、
そのときにいなり寿司のお弁当まで作ってもらって。
ほんとにありがとうございますすぎる。
感謝してもしたりないくらいの感謝で、
もうきっとそういう次元じゃないくらいねんけど。
ほんとにすごいなと思った。
こういう人になりたいと思った。
そんなことをふんわり伝えたときのアリアさんの言葉がすごく印象的で。
「人に何かを与えることって、できないんじゃないかな、若いうちは。
それは金銭的な余裕がないからとかそういう話ではなくて、
例えば今のあなたが人に何か与えようとしても、なかなか信頼されないと思うの。
それがたとえ善意からくるものでも、どうしても不信感を与えてしまうのよ、今は。
きっとそれが普通にできるようになるにはある程度の年齢が必要で、
だからそれまでは受け取る側でいいんじゃないかしら。」
あー確かにな、って。
歳をとるということの持つ側面はいろいろあるけど、
こういう意味があるなら、それはもうほんとに、しっかりと歳をとっていきたいと思った。
いろいろなところで恵まれてばかりで救われてばかりで学ばせてもらってばかりで。
ほんとはすぐにでも自らの羽で素敵な織物でも織りだしたいくらいねんけど、その羽すらまだなくて。
なにひとつ恩返しができていないもどかしさに溺れてしまいそうにもなるけど。
アリアさんの言葉には、
「羽がないなら泳いでいなさい。」とシュノーケルを手渡すよな、そんな優しさがあって。
あれまた救われてると思いながらも、お言葉に甘えて焦らずに。
この海を泳ぎ終わった後、必ず飛んで戻ります。
羽を揃えて、お返しします。