飛ぶ。咲く。走る。
Show MenuHide Menu

6088m登頂。モノクロでカラフル。

2014年4月17日

出国382日目。
32ヵ国目ボリビアのラパスにいます。

IMG_2421

6088mの雪山登山。
ワイナポトシに登ってきました。

IMG_2027

はじめに断っておくと、
僕は、山登りが好きなわけではなくて。

一応、富士山は登ったことあるけど、くらいの感じで生きてきて、
なにがどうなったか、キリマンジャロに挑戦したのが去年の12月。

IMG_3709

吐きそうな思いをしながら登った、
その山頂にはこれまでに味わったことのない達成感があったけど、
それでもだからといって、これからも登山していこう、なんて思った訳ではなくて。

IMG_2364

でも、やっぱり、ワイナポトシは登らないといけない気がして。
もちろん、6000m越えにわくわくしたからってのはひとつの理由ねんけど、なんていうか。

「積み上げてきたもので
勝負しても勝てねぇよ
積み上げてきたものと
勝負しなきゃ勝てねえよ」
オールドルーキー / 竹原ピストル

どっちかっていうと、こっちの理由のほうが大きいかな。

IMG_2456

キリマンジャロに登ったことでなんか満足してる自分がいて、
たいして山のことも知らないくせに、
5895m、アフリカ大陸最高峰登ったからもういやろみたいな、
そんな甘えた思考を、バシンと叩くのが、きっと今の僕の役目。

IMG_2382

「これまで」を越えれないような「これから」はやっぱり面白くないと思うねんな。

IMG_2360

と、いうわけで、
2泊3日でのワイナポトシへのチャレンジ。

IMG_2045

1日目は氷河の上で、
アイゼン(靴の裏につける針みたいなやつ)の付け方、歩き方。
ピッケル(氷に刺さすつるはしみたいなやつ)をつかった雪壁の登り方とかの練習。

IMG_1984

IMG_1976

アイゼンはまだわかるとして、ピッケルを使った雪壁登る練習ってなに。どんなとこいくの。
みたいな不安をみんな口には出さず、夜は暖炉を囲んでおしゃべりおしゃべり。

IMG_2024

2日目は昼過ぎにコテージ(4700m)をでてベースキャンプ(5300m)まで岩山登山。
この時点では、まだウクレレを弾けるくらい元気。

IMG_2051

IMG_2086

夕食時にキリマンジャロの時と同じように、登頂アタックの説明を受ける。

今から仮眠をとって、夜中1時くらいに出発ね。
ガイドひとりにつき2人がザイルで繋がって歩くよ。
そうそう、寒さの対策しっかりね。
みたいなそんな感じ。

で、いよいよ。

IMG_2124

am1:00 5300m 
出発。
月明かりで光る雪山はやっぱりきれいで、
アイゼンのおかげで一歩一歩しっかり進める。
一度経験したことのある高さっていうのもあって、落ち着いたスタート。
やっぱり何でも経験しておくって大事やなーと思いながら、
この時はこれから向かう6088mの高さにただただわくわくしてた。

am3:00 5600m 
しんどいしんどいしんどい。
順調なスタートから一転、これまでに味わった頃のないくらいの頭痛と吐き気を振り切るように歩く。
あれ、キリマンジャロんときってこんなしんどかったっけって思いながら、
しんどいって口に出しても白い息となって消えてくだけって事に気づいて、
もうこうなったら、比べるのも嘆くのもやめて、現状をどんと受け入れる作戦に変更。

6088mまで登らな終わらへんってことだけは間違いなくて、
ここで諦める気もさらさらないってことを自分の中で確認した後は、
水を飲んで、深呼吸して、目の前の景色にだけ意識を集中させる。

しんどいのも、頭痛いのも、吐きそうなのも、全部どんと背負い込んで歩く、そんな時間帯。
モハメッド・アリの言葉をかりるなら、
「わざとボディを打たせるんだ。打たせたボディは痛くない。」そんな感じ。

am4:30 5800m 
ふと体が軽くなる。
雪山に体がなれてきたのか、全部を背負い込む作戦が成功したのかはわからないけど、
まだまだ歩ける、なんなら走れる、そんな気分になって。
この感じが続けばきっと登頂できるんやろなって思って、それがまた力になる、そんなプラスの流れにストンと乗り込む。
月がきれいで、その月に照らされる雪面に、アイゼンの音と自分の呼吸が溶けていく。
いろんなものを吸収しながら、それでも白く輝く雪のすごさに、すこし憧れる。

am5:30 6000m 
山頂まで100mをきったくらいから、一歩一歩が、また重くなりだす。やっぱり6000mは手強い。
もうすこしゆっくり、と思っても、今回は3人がザイルで繋がっている状態。
しかたなく、無理してスピードをあわせて歩く、そんな時間帯。
と、ここで気づいたのは、思ってたより辛くない、っていうこと。
ゆっくり歩けば進める、これはキリマンジャロの経験から知っていること。
でも、自分が思うゆっくりよりも少し早い今のスピードでも、問題がなさそうで。
無理をするのがいいこと、ってわけではないけど、
それでも、自分でひいている勝手な限界線は、大抵手前にあることを再確認。

am6:00 6088m
最後の100mくらいは、ほんとに人ひとりがぎりぎり歩けるような幅の道。
もうこの時は、疲れたとか頭が痛いとか吐きそうとかそんな感情はどこかへいってしまっていて、
ただただ足元を、その両サイドの崖を、前を歩くパートナーを、その先にみえる山頂を、
順番に見ながら歩いていた。

IMG_2214

6088mに辿り着くまで終わらない、と思いながら歩いていた時間帯から3時間。
一秒でも早く辿り着きたいけれど、もう少し続いてもいいなと思う気持ちもあって。
簡単に終わらせるにはもったいないような、景色と感情。

IMG_2213

せめてもと目に焼き付けながら、心に染み渡らせながら、歩く。
そして、登頂。6088m。
気がつけば両腕は空に伸びて、ガッツポーズ。パートナーとガイドとハイタッチ。
やっぱりこの瞬間はたまらなく好き。

IMG_2181

登ってよかった。
山が好きってこういうことか、ってのが少し分かったかもしれない。
ってのは、キリマンジャロのときと同じ結論。

IMG_2280

でもほんとうに登ってよかった。

IMG_2133

もう一度言っておくと、
僕は、山登りが好きなわけではない。

IMG_2227

しんどいの苦手やし。登ったら降りなあかんし。
それでもやっぱり、あの山頂での感覚はたまらなく大好き。
あの景色も、あの感情も、思い出しただけですこし震える。

IMG_2317

音が消える雪山を、色が消える夜に登る。
なにも聞こえなくてなにも見えなくて、
だからこそ、そこにある世界はきれいな和音のように広がる。
雪山登山はやっぱり、モノクロでカラフル。

IMG_2309

さてさて、5895m に続いて6088mも登頂成功。
もちろん、調子に乗る気なんてさらさらないけど。
越えれるもんなら越えてみろよ、と、これからの僕を見る。

IMG_2232

「これから」に簡単に越えれるような「これまで」を積み重ねてるつもりはないから。

IMG_2352

楽しみが、またひとつ増える。
負けるなよー、これからの僕。

IMG_2310

出国365日目、嘘でもいい日に思うこと。

2014年4月1日

出国365日目。
イースター島でゆるりとすごしていました。

IMG_9521

いつかは行きたいなと思いながら、
行くことはないんやろなと思っていた場所。

IMG_0578

ショートケーキの苺を食べるときにすこし似た、
嬉しさと悲しさが混じったような感情を、
ショートケーキの苺を食べるときのように、
ゆっくり味わいながら、この1年を振り返り。

IMG_1271

右も左もわからないまま、そんな時はとりあえず前への姿勢でスタートしたのはタイのバンコク。
アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、南米と、ぐんぐん進んで、気づけば31ヵ国。

IMG_0413

世界はほんとに広くて、どこまでいっても果てしなくて
どれだけ国境を越えても広がらない視野に嫌気がさしながら、
いつになっても広い世界すべてを見ることも、聞くことも、
もちろん、動かすことなんてまるでできない。
なんて、思わずにはいれなかったけど。

IMG_0322

もしかしたらちょっと違うのかなって思えるようになったのは、
ふたつのことに気づいたから。

IMG_9837

ひとつめは、僕らは見えないものを見ることが出来るということ。
確かに世界全てを実際に見ることはできないけれど、
それを補うように、僕らには想像することができて。

IMG_1147

時計の針を見て、終電がなくなったことを知るように、
階段の音を聞いて、だれかの帰宅に気づくように、
桜のほころびに、春の訪れを感じるように、
僕らは見えないものを見る手段をもっていて。

IMG_9644

ちいさい頃、サンタクロースを信じていたのだって、
サンタクロースに会ったことがあるからじゃなくて、
クリスマスの朝、枕元にプレゼントが置いてあったからなんじゃないかな。

IMG_0154

その想像の種となるその目の前の世界に働きかけることくらいは僕らにもできて、
そうすることで僕らは想像したい世界の種を、そしてそこから広がる世界を、作ることが出来るんじゃないかなと思う。

IMG_0394

アンラッキーのあとにラッキーがある世界が好きなら
アンラッキーのあとにラッキーを作ればいい。
家族が笑っている世界がいいなら、
手紙を書けばいいし電話をかければいい。誕生日にプレゼントを贈ればいい。
世界中の子供が学べる世界をつくりたいなら、
例えばカンボジアの学校建設に関わることだってできる。

IMG_9889

そうやって手の届く範囲の世界を変えることで、
少なくとも自分の中に広がる世界は動かせると思う。

IMG_0084

そして、もうひとつ。
僕の見ている世界は、他の誰かの見ている世界につながっているということ。

IMG_9851

目の前の世界に働きかけることで色付くのは確かに自分の世界だけかもしれないけれど。
そんな自分勝手なペイントのなかで、誰かの世界にも色は撥ね、飛び散る。
星を見るために天体望遠鏡を持って歩く僕の姿を見た誰かが流星群の存在に気づくよな、そんなイメージ。

IMG_1241

さらに、もっと積極的に彩ることだって可能で。
例えば、自分の前に流れている川にそっと灯籠を流して、
誰かの世界に少しあかりを灯す、そんなことだってできる。

IMG_1539

世界をがらりと変えるには、確かに僕はあまりに無力で。
でも、だから仕方ないよと自分の周りだけを世界から切り離すなんてことはできなくて。

IMG_9868

じゃあ今は信じてみるのはどうかなって思う。
目の前の世界を変えることが、僕の中の世界を作るということ。
その中で飛び散った絵の具が、つながっている誰かの世界も彩るかもしれないということ。

IMG_0793

僕は誰かが笑っているときの空気が好きで、友達が好き。
人間らしさに溢れる人が好きで、楽しい毎日が好き。
そういうものが溢れる世界がいい。
春風が吹くような、そんな景色がいい。

IMG_9987

だからまずは、目の前の世界に、種を蒔いてみようと思う。
いつかその花が世界に広がって、誰かの世界にも春を知らせることができれば。
うん、やっぱり嬉しいかな。

IMG_0423

そんなことは無理かもしれないし、現実的じゃないかもしれない。
でもこの世界は、絶対行けないと思っていたイースター島にもこれるようなそんな世界。

IMG_0304

だからとりあえず僕は、こんな嘘みたいな理想論を、嘘だとしても振りかざしていこうと思う。

IMG_1390

そんな今日は、4月1日。嘘でもいい日。

IMG_9780

空を歩く方法。

2014年2月20日

出国326日目
30ヵ国目ボリビアのウユニにいます。

IMG_7848

ウユニ塩湖は雨期にはうっすら水が張って世界最大の鏡になる、
そんなオシャレで素敵なところ。

せっかくならまだ水鏡がみれるうちに。
ってことで、雨期が終わる前に、
ブエノスアイレスからバスで40時間かけてぐぐんと北上。

で、辿り着いたウユニ。
町自体はとても小さくて、ゆるりとした雰囲気。

IMG_6860

そこから車で1時間ほど走ると、見えてくる塩湖。
ここウユニ塩湖は10000㎢にも関わらず高低差が50cmしかなくて。

だから白色が広がって舞台になって。

IMG_6885

だから水も広がって鏡になって。

IMG_8058

鏡ばりの景色は、やっぱりきれいで絵になる。

IMG_7593

いろんな写真を撮りながらはしゃぎながらずっとふわふわしていて。

写真

なんでこんなにふわふわするのかを、ずっと考えてたんやけど、
ふと、地面がないからじゃないかなって思った。

IMG_7084

僕らの目の前にはいつも地面が広がっていて。
それはアスファルトやったり、草原やったり、グラウンドやったりするねんけど。
いつも、足元には地面があって。踏みしめている感覚もあって。

IMG_7983

でもここウユニに立つと、地面は消える。
空を歩いているような、車すら空を走っているような、そんな錯覚があって。

IMG_7684

高低差をなくすことで空を歩ける、って、なんかいいなと思った。

IMG_7106

地に足をつけてしっかり考える、もちろん、それは必要で大切なことだけど。
時に、なにもかもを放り出して、ふわふわと浮ついてはしゃぐ。
そんな時間もいいんじゃないかな。

IMG_7041

そして、ふわふわと空を歩くのに必要なのは、
今いるところから高く飛び上がることじゃなくて、
今いるところと同じ高さを広げることなんやろな。

IMG_7636

手に入れることのできないものを見上げなくてもよくて、
もう手にしているものを並べれば空は現れる。

IMG_7277

空を歩くのって結構簡単かもしれないな。
みたいなことを、ふわふわと。

IMG_8018

ここに立つと、思考までが空を歩く。

IMG_7785

アフリカ縦断を終えて思うこと。

2014年2月10日

出国316日目。
アフリカ縦断を終えたので、どどんとアフリカ振り返り。
コーヒーでも飲みながら、ゆっくりと。
4ヶ月前まで巻き戻して、再生ボタンを。

1457514_10152553337789156_1414555327_n

はじまりの国エジプトではピラミッドやアブシンベル宮殿の壮大さにずっと驚いてた。

IMG_8249

IMG_9355

IMG_8712

スーダンでは、人の優しさや、走り回る子供に心が和んでほっとして。

IMG_0002

IMG_9976

IMG_0033

エチオピアではダナキルに民族巡りにずっとどきどきしてた。

IMG_8119-1

IMG_1722

IMG_8670-1

IMG_8791-1

ケニアではサファリでキリンやライオンにわくわくして。

IMG_8904-1

IMG_9471-1

IMG_9878-1

ウガンダでゆるりとテント生活をして、
ルワンダでは知らないといけないという気持ちにひっぱられた。

IMG_3216

IMG_3279

IMG_3297

タンザニアのザンジバル島もキリマンジャロも最高に気持ちよかったな。

IMG_3329

IMG_3333

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

IMG_3709

マラウイはこれまで訪れた国のなかで一番好き。何もなくてあたたかい場所。

IMG_3977

IMG_4042

IMG_3939

ザンビアでは月の光で虹が見える、物語のような現実に胸がどんってなった。

IMG_4141

IMG_4591

IMG_4505

ボツワナでは、テントの横を走るイノシシに癒されて。

IMG_5005

IMG_4928

IMG_4992

ナミビアではレンタカーで、サファリも砂漠も花も星も。

IMG_1761-1

IMG_2411-1

IMG_5467

南アフリカは便利さと自然のバランスが程よくて、喜望峰についたときはやっぱり嬉しかった。

IMG_6269

IMG_6362

IMG_6407

アフリカほんとに楽しかった。
自然も人も、ほんとに素敵で。危機感も安堵感もたくさんあって。喜怒哀楽に溢れていて。

IMG_1938-1

アフリカでは、かっこよく、さらりと生きる。なんて全然出来なくて。
溺れないようにずっともがきながら、だからこそ、考えることができたことも、感じることができたこともあって。
便利さや快適さはなかったけれど、その逃げ場のない場所が時間が、ほんとによかった。

IMG_1381

IMG_8728

国境を越えるたびに知らない世界がひろがって、
知らない世界には、知らないことがいっぱいで。

1461998_639247232793938_1599750738_n

IMG_8148-1

バンジージャンプのときみたく、胸が騒いで足がすくんで、それでもやっぱり飛びたくて。
ほんとにそんな毎日やったな。すっごい楽しかった。

IMG_4651

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

僕が持ち合わせている当たり前は、知らない世界では当たり前じゃなくて。
自分の中に、ものさしを持っているっていうのはとても大切なことだけれど、
時にそれではかれないような、はかってはいけないような事もいっぱいあるっていうのは、
きっと忘れてはいけないんだと思う。

IMG_8820-1

IMG_0395

善意だけでなく悪意が転がっていることも受け入れながら、
信じたいものを信じる、なんて安易な逃げ方はやめる。
向かい合わないと何も見えなくて、
でも向かい合えば何もかも見えるってわけでもなくて。

IMG_9725

IMG_3864

今、しっかり考える。丁寧に話して、丁寧に聞く。
この4ヶ月で、知らない世界を走りながら考えた、知らない世界の走り方。

IMG_0637

IMG_3836

10000kmを走り終えて一番強く思うのは、
僕は人が、人の人らしいところが、好きやなってこと。

IMG_8814-1

IMG_0182

何かを守れなくて、悲しむ人がいて。
何かを手に入れるために、怒る人がいて。
何もなくても、笑える人がいる。

IMG_0916

IMG_9695

自分に、他人に、振り回されながら、
それでもその手を離さない覚悟をもっている人が、人らしさが、僕はとても好き。

IMG_0423

IMG_9254

時にそんな人らしさに、声を荒げることも、深く傷つくこともあるけれど。
それでもやっぱり僕は、人が人らしくいる世界がとても好き。

IMG_9249

と、ここで再び、一時停止。
さてと、とコーヒーを置きながら、手にはリモコン。

IMG_2445-1

爆笑問題の太田光が言っていた言葉を思いだす。
「未来はいつも面白い。」

IMG_3966

ずっと楽しみにしていたアフリカ縦断という未来は、思った通りに面白くて。
いまちょうど目の前に広がるのは、中南米。1年後の帰国とそこからはじまる日本での生活。

IMG_5447

早送りするにはもったいないし、コマ送りするには待ち遠しい。
結局、やっぱり、再生ボタンを。
うん、楽しみ、未来。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ポケットの中の手を。

2014年2月7日

出国313日目。
31カ国目の南アフリカのケープタウンにいます。

IMG_6292

ケープタウンの便利さと自然のバランスに驚きながら。

IMG_6269

ワイナリーでお洒落にワインを飲んだり。

IMG_6064

IMG_6075

テーブルマウンテンに登ったり。

IMG_5920

IMG_6039

ペンギンを見たり。

IMG_3047-1

バイクでびゅびゅんと走ったり。

IMG_6384

喜望峰についたときはやっぱりちょっと嬉しかったな。

IMG_6407

ここ南アフリカからは、南十字星をみることができて。
この南十字星は、銀河鉄道の夜でジョバンニとカンパネルラが旅したその終着駅。
彼らはこの駅で「ほんとうのみんなのさいわい」について考えた。
IMG_1643

では、僕は。と思う。
アフリカ縦断のその終着駅の南アフリカにいる僕は、何を考えるのか。
アフリカ縦断、4ヶ月、11カ国、10000km。

IMG_6301

もちろん縦断中にここに辿り着いた瞬間を想像していなかったわけもなくて、
もしかしたら何かすごいことを思いつくんじゃないかな、なんて期待だって少しはしていて。

IMG_6531

でも結局は、アフリカ楽しかったなー。みたいな、
なんでもないありふれた感想を、せめてもと大声で叫ぶよな、そんなアフリカ縦断の終着駅。

IMG_6105

誰の幸せを願うでも、自分の夢を大きく広げるでもなく。
奇想天外なアイデアが浮かぶわけでも、この先何度も思い返したくなるよな言葉を見つけるでもなく。

IMG_6326

そこに立てば何か見えると思っていた場所に、なるほどこんなもんかとすこし立ち尽くして。
高くあげた両手をまたポケットに戻した後に、またどこかへ歩きだすような。
きっとどこかで満足しながら、もう片方では悔しくもあって、
だからポケットに戻したその手はぎゅっと握りしめられていて。

IMG_6418

なんていうか、そんくらいのもんでしかないのかなって、思った。
そして、きっとそれで十分なんやろなって、思った。

IMG_6337

悲しいときに笑える強さなんてなくて、人目はばからずどーんて沈むし、
嬉しい時ははしゃいで、でも余裕はあるくせになかなか誰かの哀しみには気づけなくて。
不完全さは結局今も、不完全なままで。
いつかは、と願いながら、まあでも、と逃げ道を残す。このへんもやっぱり。

IMG_2680-1

それでも、というか、だからこそ、になるのかな。
アフリカ縦断してよかったなと思った。ほんとにいいとこやったな。
そしていよいよ次は中南米。こっちもめっちゃ楽しみ。

IMG_6347

僕が辿り着く着かないに関係なく沈む夕日を見て、
振り返って伸びる陰が自分のものだと確信する。
ポケットの中の手をさらにぎゅっと握りしめたのは、
いつだってファイティングポーズをとれるように。

諦める気なんてさらさらなくて。
まだまだ、続く。続けてく。

IMG_6362

ドミノ倒しみたいに。

2014年1月31日

出国306日目。
30カ国目のナミビアのウイントフックにいます。

IMG_1938-1

ナミビアはレンタカーでまわるのが楽しいよ、ってことで。

IMG_5039

7日間かりて1人900ナミビアドル(9000円くらい)。
南から時計回りでくるりとまわる。

赤い砂漠。

IMG_5105

IMG_5155

ウェルウェッチア。

IMG_5246

めっちゃかっこいい。ちなみに和名が奇想天外ってのもなんかいい笑。

オットセイいっぱい。

IMG_5396

北部のオプトからはヒンバ族の村へ。

IMG_5467

IMG_5493

最後にエトーシャで、キリンもサイもライオンも。

IMG_2411-1

IMG_5801-1

IMG_2551-1

盛りだくさんで楽しい。

この一週間は車の移動ってのもあって、
毎日メーターでどれくらい移動したかを確認していて。
自分の速度や走行距離を意識するのって、なんとなく、いいなって思った。

IMG_1825-1

どこか目的地へ向かっいる時も、なんとなくぶらぶらと歩いてるときも、
僕達はある速度で、ある距離を歩いていて。
もちろん、その速度や距離自体に意味はないねんけど、
でもその速度や距離を計測することはほんとはできて。

IMG_5311

「いつもは見ていないけど、見ようと思えば見れるもの。」
を持ち歩いている感覚って、もっと意識していいものなんじゃないかなって思った。

IMG_5715-1

力を込めれば歩く速度はあがるし、それによって体温も変わる。
走ったからこそ間に合ったバスもあるし、乗り過ごしたからこそ見えた夕日もある。

IMG_4536

100kmごとにいいことが起こる、とか時速7kmを越えるとわくわくが増すとか、
そんな設定がない、なんて断言はできなくて。

IMG_1939-1

雨上がりの虹にも、手をつなぐ前の緊張感にも、ごはんの前のいただきますにも、
理由も価値もやっぱりあると思うし、
そういうものがドミノ倒しみたいにつながる世界って面白いなって。
いっそのこと、そういう世界ってことにしてみようかなって思った。

IMG_1761-1

目を閉じることで描ける世界があって、静寂の中でこそ音は広がる。

IMG_2445-1

どうせなら、隅々まで楽しんでみたいよなー。
なんてことを考えながら時速80kmくらいのバスにゆられて、1500kmくらい離れたケープタウンへ。

IMG_5447

速度や距離がどの程度関係しているかはわからないけど、
少なくとも今の僕はすごくわくわくしている。

枝の先に花が咲く。

2014年1月16日

出国291日目。
28カ国目のザンビアのリビングストンにいます。

IMG_4115

なんとなく訪れたその国は、バスもきれいで、道も整備されていて、
最貧国のひとつとされているザンビアのイメージとはかけはなれていて、
ひとつにここがヴィクトリアの滝への窓口になってるってのもあるんやろうけど、
それでも思ったより都会でびっくりした。

IMG_4132

で、そのヴィクトリアの滝。
ザンビアとジンバブエの国境にある世界遺産にも指定されている滝で、世界三大瀑布のひとつ。

IMG_4630

さすが。これで増水期じゃないねんからすごいと思う。
これだけずっと水が流れ落ちながらそれでも全くその流れが尽きる様子がなくて、
ずーっと前に、地球上の表面積の70%は水です、って習ったのを思いだした。

IMG_4229

IMG_4245

IMG_4591

ゆるりとすごしてなんだかんだ夕方まで。

IMG_4682

で、満月の日は夜も入場できるんだよー、って噂があって。
しかも夜は満月の光で虹がみえる、なんてモテそうすぎる噂もあわせて聞いてて。
そのまま夜も滝を見ることに。

IMG_4518

さすがに月の光で虹が見えるってのは言い過ぎやろーと思いながら、
でも夜の滝って行ったことないし、なんかいいなーってぼんやりしてたら。

IMG_4780

見えた。なにこれ。すごい。
満月の夜に月明かりで滝に虹がかかる。
なんて物語みたいなことがほんとにあるってなにこの世界。めっちゃいい。

IMG_4505

虹が見える条件として、光源・プリズムとなる水滴・観察者、の3つがあればいい、
ってのは頭ではわかってるけど、それでもやっぱりすごいなと思ったし、
幻想的すぎて心がどんと奪われた。

明るい光が水滴の中で屈折・反射し、屈折角の違いによって様々な色に分解される。
その分散された光のスペクトルが虹として僕達の目に映っていて。
あー光ってこんなにいろんな色を含んでたのかって思った。

IMG_4656

毎日もきっと同じなんやろな。
今日は悲しい日、明日は楽しい日、そういうふうに単色の光として存在するのではなくて、
いろいろな感情がごちゃまぜになったそれが集まってひとつの光のように見えていて。
だから、細かい感情の集合体としてではなく、
どっちかっていうと元気とか、今日はちょっとよくないかも、
みたいな感じで僕らはそれを混合物として判断していて。

IMG_4102

でもやっぱり、ほんとはひとつひとついろいろな物事があって、いろいろな感情があって。
光、としてまとめてしまうのは、なんだかもったいない気がして、
ふと、糸井重里さんの言葉を思いだした。

「人はきっとまだら状に考えるのであって、そのまだらは、混ぜないまま記録しないと、間違えると思うんですよ。
 —〈中略〉—
それは、ミックスフルーツのジュースじゃなくて、ミックスフルーツのままでかごに盛る必要があります。そこからぼくらは頭の中を自分で整理しなきゃいけないんです。」

IMG_4536

混ぜてしまったほうが簡単に飲み込めるようなこととか考えやすくなることもあって、
もちろんそうしないと進めないような時だってあるとは思うけど、
でもやっぱり、どちらかというと、そうだからこそ、ひとつひとつをしっかり捉えていきたいと思った。

IMG_4641

僕達はあらすじを語るために生きている訳ではなくて、
だからそこには本筋に関係ないような出来事もたくさんあって、
そしてそういうこと全部を含めての物語があって。

きっとそういう物語を面倒くさがらずに一文字一文字読み進めたその先に、
僕がつかまえたいと思っている読後感はあるんじゃないかなって。
枝の先に花が咲く、みたいな、そんなイメージ。

IMG_4651

日常という光源があって、それを感じ取る自分という観測者がいる。
だからあとはプリズムとなる水滴があれば、その光をカラフルな虹として僕らは見ることができるんだけれど。
その水滴を準備するのは、すごく簡単なことなんじゃないかな。

IMG_4278

だって、地球上の表面積の70%は水って習ったしな。

探す理由。

2014年1月7日

出国282日目。
27カ国目のマラウイのケープマクレアにいます。

IMG_4043

チズムル島からンカタベイへもどったあとは、
バスをぐんぐん乗り継いで、南へ南へ。

IMG_4044

マラウイめっちゃいいやん、ってなって、
もう少し違う町へ滞在したくなって、
さらにのどかでいいよ、っていう噂のケープマクレアへ。

IMG_4013

めっちゃいい。

IMG_4060

海があって、山があって、一本道がどーんってあって。
人が優しくて、1ドルでキャンプサイトに泊まれて、夕日も月もきれい。

IMG_4021

もちろん観光名所なんてないから、
朝起きてぶらぶらして、洗濯して、ご飯作って、夕日見ながらウクレレ弾いて、夜の湖をぼんやり眺めて、みたいなそんな生活。

IMG_4066

そんな中、ふと感じる違和感があって。
なんやろーと思ったその正体は、月の満ち欠け。
「月は右から満ちて、右から欠けます。」そんな風に教えてもらった記憶があって。
これまで見てきた月の満ち欠けも、そのとおり、いっつも右からはじまっていて。
だからもうすぐ満月やなーとか、これから新月にむかってくのかー、とかそんな風に無意識に考えてたんやけど。

IMG_4015

でも、ケープマクレアで見ていた月は、明らかに前日より左側に満ちていて。
はじめは勘違いかなーなんて思っていたけど、次の日には勘違いじゃないなーってなって。
これまで右から欠けて右から満ちていた月が、いつのまにか、左から欠けて左から満ちるようになっている。

IMG_4065

そんなことあるわけない、なんて思いながらも、
やっぱり信じるのは、実際に目の当たりにしているほう。
で、探す理由。

【可能性①】
もしかして、僕、違う世界に迷いこんだ?

みたいな夢はちょっとおいておくことにして。
考える。

IMG_4042

そもそも、満ち欠けってなんやっけ、ってところから。
月が地球の周りを公転することで、太陽、地球、月の位置関係が変わって、
月の太陽に照らされている部分の広さが変わるから満ち欠けしてるように見える。
ってのはなんとなく覚えていて。
で、月は地球の周りを30日かけてまわってるから、30日周期で少しずつ形が変わって、、ってことは。

【可能性②】
月のまわる方向が変わった?

まあ、もしそうなれば、満ち欠けの方向も変わるけど、
そんなことあったらたぶんめっちゃニュースになってるから、この可能性も却下。
で、探す他の理由。
考える考える。

IMG_4032

次は、最後に右からの満ち欠けを確認したのはいつかを思い出す作戦。
まったく覚えてないねんけど、少なくともエチオピアでは満月前に右から満ちていた気がする。
じゃあエチオピアとマラウイとで、月の満ち欠けの方向以外に何か変わったことあるかなーって考えて。

ひとつに年が変わっている、時間が経っている。でも、それで説明できるようなことはなくて。
気温、季節も変わったな。寒い方が大気中の水蒸気が冷やされて星がはっきりみえる、みたいな話は聞いたことがあるけど、それが満ち欠けが反対になった理由にはならなさそう。
あとは、場所が変わった。途中ウガンダで赤道を越えながら、距離にして2000kmくらい南下したから、、。
ん、もしかして。

【可能性③】
北半球と南半球では月の満ち欠けが反転する。

なんか、めっちゃありそう。
季節が反対になるくらいねんから、満ち欠けだって反対になってもいい気がする。

でも、もしそうなら、なんでかなーって。
むしろどういう状況なら反対になるかなーって考える。
考える。考える。考える。

IMG_4083

で、思いつく。

もし月が赤道上をまわっていたら、北半球と南半球で満ち欠けが反対になることが説明できる。
北半球から赤道を見た場合、西側は右手に見えるけど、
南半球から赤道を見ると西側は左手に見える。
だから北半球から赤道上にある月を見て右側へ満ちていく場合、南半球から見たら左側へ満ちていくようにみえる。

うん、すっきり。

IMG_4024

みたいに、いろいろ考えるには十分時間があるのも、ケープマクレアのいいところ。
パソコンも壊れてたって状況も手伝って、久しぶりにめっちゃ考えて。
その後調べたところによると、ざっくりはあってて。

IMG_4039

なんか、しっかり考えたことのを答えあわせってめっちゃ懐かしくて、高校の頃を思いだした。
面倒やからどうでもいいやって簡単に投げ出すことも、
なんでかなって思った時に簡単に調べることもできて、
だからこそ、しっかり考えていきたいなって思う。

まあ僕が理由を思いつこうがつかまいが、南半球から見る月は左から満ちて左から欠けるし、
僕がすっきりしたその前後で月のきれいさは変わらないし、もちろん僕に変化もないねんけど。

IMG_4011

それでも、考えてよかったなと思ったし、これからも考えていこうと思った。

さっきより左側に少し満ちた月を見ながら、
もしほんとに違う世界に迷い込んだってのが答やったらどうしよう、ってなって、
まあ考えるしかないか、って思った。

五十音みたいに。

2014年1月1日

出国276日目。
27カ国目のマラウイのチズムル島にいます。

IMG_3977

あけましておめでとうございます。

IMG_3979

2014いぇーい、と年越しをしたのは、
自然いっぱいのマラウイの、さらに自然いっぱいのマラウイ湖にうかぶ島、チズムル島。

IMG_3962

チズムル島にはサツマイモとトマトしか売ってないよ、って噂にどきどきして、
そんな素敵な島に行かない理由がなさすぎるやろーってことで、のりこんだチズムル島で、
なにがいちばんどきどきしたかって、そのサツマイモとトマトすら売ってないやんってなったことかな。

IMG_3932

電気は22時に消えるし、湖はきれいやし、バオバブはかっこいいし。
みんな優しいし、星はきれいやし、蛍めっちゃ飛んでるし。
なんかもう素敵すぎる島。

IMG_3939

そんな素敵な島で、2013年のおわりにぼんやりと振り返り。
友達と全力で八坂神社に向かって走りながら迎えた2013年は、その全力疾走の勢いのまま最後まで走り抜けた感じで。
会社やめたり、テレビにでたり、世界一周がスタートしたり。
日本で、アジアで、中東で、ヨーロッパで、アフリカで、いろんな人に出会いながら。
喜怒哀楽のどれもがばっちり混ざった日々は、思った以上に楽しくて。
いい1年やったなー。

IMG_3836

何もない島は、雑音が少なくて、思い出すのにちょうどいい。
素敵に和音で終われたんじゃないかな2013年。五十音みたいに。

IMG_3864

もちろん、全力疾走をやめる気なんてさらさらなくて。
酸いも甘いも、楽しいも悲しいも、どきどきもひやひやも、
全部食べきって進んでいくことにしてみよっかな、そんな2014年のはじまり。
いい1年にしたいなー。

IMG_3946

何もない島は、余白が多くて、思い描くのにちょうどいい。
2014年、せっかくなんで、こちらも愛で始まれば素敵やな。五十音みたいに。

IMG_3966

今年もよろしくお願いします。

IMG_3987

初心者クライマー。

2013年12月21日

出国265日目。
26カ国目のタンザニアのキリマンジャロにいます。

IMG_3664

キリマンジャロ。5985m。
アフリカ大陸最高峰。
山脈に属さない独立峰としては世界一の高さの山。

IMG_3645

ほんとは費用の関係でスルーしようとしてたんやけど、
なんとなく近づくにつれて、登りたくなってきて。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

僕は特に山が好きな訳でもないし、
富士山くらいしかのぼったことないんじゃないかくらいの初心者クライマーねんけど。

1週間もかけてまで、1000$も払ってまで、登るのってどうなんやろって思いながら
ふらふらと、特に誰に誘われた訳でもなく、1人でキリマンジャロの麓の町モシについて。

IMG_3540

追い風も向かい風も吹かないまま、どっちか吹いてくれた方が決めやすいねんけどな、
なんて考えてる時点で、きっと登るのは決まってたんやけど。

結論から言うと、これがほんまにすごかった。
ほんまに登ってよかった。

IMG_3564

ちなみに、僕が登ったのはマチャメルートっていうルートで
6日かかるけど、いろんな景色見れるし、登りと下りが違う道、みたいなそんなルート。

興味ある人はこちらのページを。
とりあえず感想ばーって書く。書きたいこといっぱい。

はじめの4日間は、ゆるっとした登山ではじまりはじまり。

IMG_3502

高度もそんなに高くないし、一日あたりの距離もそんなに長くなくて。
なんや、キリマンジャロ余裕なんじゃないかな、なんて思ってて。
まあ5日目の早朝にその思惑は粉々にされるねんけど。

IMG_3505

ゆるりとハイキング感覚で登りながら、
結局なんでキリマンジャロ登ることにしたんやったっけって考えてて。
大陸最高峰って響きが素敵すぎるからかなーとか、
「こないだキリマンジャロ登ってんけどさー、」で始まる会話とかモテそうやからかなーとか、
クリスマス近づいてきて何かから逃げたくなったからかなーとか。

まー、きっと全部なんやろなーなんて思いながら、わくわくと。
そんな4日間。

IMG_3585

泊まるのはテント。
僕がキャンプサイトに着くことにはもうテントできあがっててコーヒーまで用意されてる。
なにこの待遇のよさ。

IMG_3524

IMG_3523

4日目はキャンプ地に15時くらいについて。
これから登ってく山をみたり、ウクレレ弾いたり、夕日みたりのご機嫌な時間をすごして。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

夕食時に、登頂アタックの説明。

・0時に起きて、30分くらいで準備して出発ね。
・靴下3枚履き、服もいっぱい着ないと寒さにやられるよ。
・ウクレレ持っていってもいいけど、きっと手がかじかんで弾けないよ。

みたいな感じやったかな。
ウクレレのとこで一悶着あったけど、こういうとき、僕頑固やなーって思う。もちろん持ってく。

で、とりあえず4時間くらい仮眠をとって、いざ山頂へ。
こういうとき、どこでもいつでも寝れる僕便利やなーって思う。ほんまにぐっすり。

いよいよ。
ここからの6時間くらいが、これまでで一番心が揺れた。
思ったこと全部書く。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

a.m.0:30
キャンプ地をスタート。4640m。
ぐっすり寝たし、月もめっちゃきれいやし、気持ちよくスタート。
しばらくは夜の雪山登山のきれいさにびっくりしてた。
単色が描く虹色を見てるようなな、白黒のはずやのに、すごいすごいきれいな景色。

a.m.2:00
高度を確認したら、5100mくらい。
確かにこれまでの4日と比べるとしんどいけど、まだいける。
そういえば朝日って何時くらいやっけ、って気になってガイドのスティーブに確認。
6:20くらいかなって回答に、山頂で日の出が見たいからそれに間に合うペースで行きたい、
みたいな注文ができるくらいには、余裕があった。

a.m.3:00
5300mくらいやったかな。もうこの辺から、けっこうしんどくて。
寒さとか疲れに加えて頭も痛くなってきて。
なんでこんなにしんどいんやろーって考えてて、
やっぱりなんだかんだ疲れが貯まってるんかなーとか、
この高度でこの運動量やからかなーとか、
クリスマスが近づいてるからかなーとか。
まー今回も全部答えなんやろなーなんて思いながら。

気づけば「あー、しんどいー」って声に出して言ってて、
なに弱音はいてんねんって思うと同時くらいに
もう1人の僕が、「負けるか、ぼけー」って声も出してて。
言葉遣いは悪くても、僕は後者の自分をめっちゃ応援してた。

a.m.4:00
5450mくらい。
いよいよしんどい。
どう考えても頭痛いし、一歩一歩が苦しいし、次の一歩に集中してないと倒れそうになるくらい。
なんかもういいやーって意識が勝手にログオフしそうになるのを、必死で繋ぎ止めるそんな時間。
ほんまに諦めよかなって2000回は思ったし、なんならなんて言い訳しようか考えてたくらい。
もうここでいいか、って。朝日はここから見れたらいいや、まーほぼ山頂やし、って。
そんなこと考えながらいると、前から突然。
「Don’t give up.」
とガイドのスティーブ。
諦めようとしてるのばれてるん恥ずかしって思いながらも、
その言葉で少し元気に。
閉じかけてた目がなんとか開く。
そやんなー、ここまできて何諦めようとしてんねん、って。
言葉ってすごい。でも、まーしんどい。

a.m.5:00
5600mくらい。
本格的に苦しい。
もうほんっとにふらふらになりながら、
そういやなんで登ってるんやっけってまた思って、
なんか力にならんかなーって昨日まで考えてたことを思い出そうとしたときに、
もう1人の僕が、「知らんがな!」って言い放って。
お、そっか。ってなった。
知らんよなー、って。
もうここまで来て何をいまさらやんなーって。
もちろん、初心を忘れないことが大切ですとか、足元を見てないとつまづくとか、
そういうのはすっごいわかるけど、
必死に次の一歩を出そうとしながらの「知らんがな!」ってなんかすごくいいなって思った。

a.m.5:20
スティーブが立ち止まる。
指をさしてる。
その方向に目をやると。どん。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ステラポイントの看板。
山頂のウフルピークの手前にあるポイント。5739m。

ここまでくればあと45分だよ。と、スティーブ。
ゴールが見えれば頑張れるタイプの僕はここでようやくまわりの景色が見えるようになって。
後ろを振り向くと雪の上に残る足跡と色が変わりはじめている空。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ここからの景色がすごい。
月はまだめっちゃきれいやのに、地平線は完全に色づいてて。
徐々に白黒の世界に色が落ちてきて、きらきらと雪が光る。
さっきまでの暗闇が、苦しみが、嘘やったかのような時間の流れ。
「きっと嵐って、朝日が、そのあとにのぼってくるためだけに、あるんじゃないかなあ。」
っていうムーミンパパの言葉がようやく腑に落ちたような、そんな瞬間。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ふと前をみると、ウフルピークの看板。
気づいたらうるうるしてた。
なんでやろ、って考えてて、
やっとこの苦しさから解放されるからかなーとか、
景色がこれまでみたことないくらいきれいやからかなーとか、
クリスマスがまた少し近づいたからかなーとか、
いろいろ思ったけど、知らんがな、ってことにしといた。
きっと全部あってるし、全部それだけじゃ答えになれない。

僕はここまで登ってこれて、泣きそうになっている。
それだけ。理由なんていらない。

僕がこれまで29年でどれだけの距離を歩いたかはわからないけど、
ウフルピークに到達するまでの最後の100mが、これまでで一番心が震える100mやった。

1秒でもはやく辿り着きたい高揚感に背中を押され、
1秒でもながくここを歩き続けたい陶酔感に肩をつかまれていた。

a.m.6:08
山頂へ。5895m。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

もうその瞬間に疲れとか頭痛とか寒さとかはなくなってて、
その時はそのことにすら気づいてなかったんやけど、
スティーブとふたりではしゃぎまくって。
ハイタッチもめっちゃして、7回目くらいかな、そんくらいに、
いやハイタッチばっかしてる場合じゃない、ってなって写真撮って。ウクレレ弾いて。

IMG_3709

振り返ると、太陽が昇り始めていて。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

続々と登ってくるひとの笑顔、歓声。

IMG_3732

周りには氷河。それを照らす朝日。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

なにここ、すごい。
こんな景色みたことないし、こんな感情味わったことない。

ここウフルピークの、ウフルってのは自由っていう意味で。
なんかそれもすごくいいなって思った。
自由、ここにあったんか。
どんだけ不自由なとこにあんねん、自由。

IMG_3731

なんにせよ。
ほんとに登ってよかった。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

これまでで一番しんどかったし、
たぶんこれまでで一番諦めようと思った。
でも辿り着いた時の感情は、これまでで一番揺れた。

IMG_3754

あー山が好きって、こういうことか、ってのが、
ようやく、ちょっとわかったかもしれない、そんな初心者クライマー。

IMG_3780

楽しかった。
ほんまに、登ってよかった。