Category Archives: Netherlands
胸を張って見せれる背中に。
出国161日目。
14カ国目オランダのアムステルダムにいます。
イビザ島の次はどこにいこうかな、アンダルシア地方とか面白そうやな、
みたいなかんじでぽちぽち調べていると、オランダまでのフライトが70€っていうのを見つけて
もう次の瞬間には予約してた。
なんとなく行きたい、って思えば、きっとそれがこたえ。
か、どうかはわからないけど、決める人が自分しかいない自分のことくらいは、
こういう些細な感覚を信じていこうと思う。
と、いうわけで、オランダin。
今回は初のカウチサーフィン。
カウチサーフィンっていうのは、
世界のみんなでお互い泊まる場所を提供しよう、みたいなサービスで。
自分がこれから行く町に住む誰かに「この期間で泊めてもらえると嬉しいな!」みたいなお願いをして、
予定が合えば泊めてもらえる、そのかわり、だれかが自分の町に来たとき泊めてあげよう、みたいなそんな感じ。
そして、今回泊めてもらうのは62歳のおじいちゃん、Joop。
どん。
かっこいい。
駅まで車で迎えに来てくれるという優しさに甘えながら、うちへ。
結局5泊もお世話になって、ご飯もまるっと食べさせてもらって。
一緒にアムステルダムや湖の周りをサイクリングしたり夜中からドライブに行ったり。
すごく楽しい5日間で。
Joopの自転車は電動自転車ってのもあって僕の前をすいすい走って行って。
その背中を追いかけながら走るのは、なんだかすごく心地よくて。
もっとはやく進めるように、自転車をこいでこいで。緑をぬけて、湖をこえて。
流れる景色を逃したくないなと、カメラを構えて。牛がどんといて、羊がりんとしてた。
足を動かして、目を見開いて。アムステルダムの町へ。きれい。
夜はワインを飲みながらInto the wildをみたり、音楽を聴いたりしながら、いろいろ話して。
僕の倍以上の人生を歩いているJoopとの会話はとても面白くて、心地よくて。
あれ、この感じ前にもあったなと思ったら、昼のサイクリング。
なんていうか、自転車の背中をおいかけるよな、そんな会話ができるのは、
やっぱりそれだけ先を走ってるからなんやろなと思った。
僕はもうすぐ29歳になって、
今の僕は特になにをもっているわけでも、なにを成し遂げた訳でもないけれど、
ひとつだけ胸を張っていいとしたら、29年間生きたということなんじゃないかなと思う。
日に日に未熟であることを気づかされるよな毎日やけど、
それでも、それだからこそ、生きていて。
必死で何かを頑張った日も、何もせずだらだら過ごした日も、1日は1日で。
その無機質さに、急かされながら救われながら、気がつけば10000回以上積み重ねてきた。
もちろんまだまだこれからで、このまま終わらせる気もないけど、
日々を積み重ねることのできる、感謝と誇りは、きちんと噛み締めていこうと思った。
みたいなことを考えさせられる背中って、やっぱりすごいと思う、Joop。
まだまだそんな背中になれるのは先だけど、いつかはきっと。
別れ際に駅で、
今度は子供連れてくるよ、と言ったら、
お前は俺に似てるから結婚できないよ、と返された。
楽しみにしておいてと、笑ってバックパックを背負って、じゃあねと手を振る。
楽しみにしているよとJoopがどんと僕の背中を叩き、その振動をバックパック越しに受けて、背筋が伸びる。
いつの日か、胸を張って見せれる背中に。
Joopにも、子供にも。
そのために、今は。
もっとはやく進めるように流れる景色を逃さないように、足を動かして目を見開く。
きっとそれがこたえ。
決めるのは、僕だ。