飛ぶ。咲く。走る。
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Category Archives: Spain

ショートケーキの苺を。

2013年9月29日

出国182日目。
19カ国目スペインのバルセロナにいます。

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ショートケーキの苺を最後まで残していたのはいつまでやったっけな。
と、いつかの記憶を掘り起こす。
「そんなに最後まで残してる人初めて見た。」
そんな台詞を覚えているから、少なくとも大学2年生まではそうだったんだと思う。

最後に楽しみをとっておいた方がより長く楽しめるから、そんな理由ではなく、
なんとなく、そういうもんだと思っていたし、
苺の乗っていないショートケーキ、っていうのがなんだか違うような気がしていた。

じゃあどうして最後まで苺を残さなくなったのかというと、
いつ死ぬかわからないんだから楽しいことを優先しないと、そんな理由ではなく、
なんとなく、最後まで残されている苺、っていうのがなんだか違うような気がしたからで。

苺の乗っていないショートケーキ、も、
苺だけ残っているショートケーキ、も、なんとなく違和感があって。
だからその両方にならないように、ばれないようにこっそり苺を食べていた。

と、いうわけで。
最後まで残されてる苺じゃないけれど、
最終日にようやくこっそり行ってきました、サグラダファミリア。どん。

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めっちゃよかった。

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当たり前のように、当たり前じゃない設計がされていて。

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まだ完成していないっていうのも含めてすごくどきどきした。

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曲線の建物を、直線の機械が組み立てていて。

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夜は夜でかっこよすぎる雰囲気。モテそうなにおいがぷんぷんする。

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バルセロナ、すごい。
サグラダファミリアもグエル公園もほんとによかったし、
ガウディの手がけた作品が町中のいろいろなところにあるこの町はほんとに楽しい。

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週末だけ行われる噴水ショー。
遊園地にいるような感覚が町中で普通に味わえるのっていいなと思う。

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曲線の建物が突然現れる、のはやっぱりガウディの仕業。

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こんな風に、町中のいろいろなところに違和感が潜んでいて。
でも、その違和感までもまるっと飲み込んでいるこの町は、やっぱり素敵だと思う。

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淡々と組み立てる。1+1で2を作る。そういうすごさはやっぱりあるんだけど、
振り返らせてやろうと虎視眈々と狙いすます。そういう企みが、覚悟が、僕はとても好き。

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楽しかったなバルセロナ。
友達に会って、おいしいご飯を食べて、ワインもビールも飲んで、行きたい場所に行って。
たくさん贅沢したヨーロッパも、この町でおしまい。

あまりに刺激的な町で、句点としては違和感があるけど、
でもなんとなく最後がこの町でよかったなと思った。

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違和感を避ける必要なんて、なかったのかもしれない。

くるみ。

2013年9月27日

出国180日目。
19カ国目スペインのバルセロナにいます。

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まだ小学校にも入る前、家の周りの空き地や山でよく遊んでいた。
バッタを追いかけたり、蝶々をつかまえたり、秘密基地をつくったりしていて。

当たり前のその遊びが当たり前じゃなくなりだしたのがいつからかもわからないくらい、
気がつけば家の周りの空き地には新しい家が次々と建てられていった。

当時その変化に対して、悲しいとか悔しい、みたいな感情を抱くことはなかったけれど、
今思い返すと、やっぱり少し悲しいかな、と思う。
理由はきっと、いつも通りのないものねだりな気はするけれど。

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なんていうか、今、自分のなかの根底にある基準っていうか、
ドキドキボタンとかワクワクメーターみたいなそういうスイッチにあたるものは、その当時に作らた気がするし、
草むらの中に虫取り網を持って駆け込みながら、落ちている枝で秘密基地の囲いを作りながら、あの頃の僕は育っていて、
その原風景のようなものがなくなるのは、引っ越しの準備が終わったあとの部屋に広がる空気のような切なさがあって。

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じゃあ何も変わらないのがよかったのかって聞かれると、それはそれで、と答えに詰まる、
やっぱり予想通りのないものねだりではあるねんけど。

今以上をいつも欲しがるくせに、変わらない愛を求めて歌う、
そんな感じなんかな、ねえ、くるみ。

みたいなことを考えながら、グエル公園を歩いていた。

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カラフルなタイルで彩られたこの公園は、ディズニーシーのマーメイドラグーンのモデルでもある、そんな素敵なところ。

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色や形のどきどき、だけでなくて。
自然を愛するガウディは、この公園を作る時も、自然をモチーフに設計するだけでなく、
できるだけその時掘り出した石を材料として使い、木々を切らずにすむように階段の位置をずらして作った。
だから公園内の通路も、効率的とはいえない作りで、でも、それがすごく心地よくて。

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「芸術におけるすべての回答は、偉大なる自然の中にすべて出ています。
ただ私たちは、その偉大な教科書を、紐解いていくだけなのです。」
その言葉通り、ガウディは自然の中にこそ正しい形があると考えていて、
だから彼の作品の中では柱は木々のように広がり、螺旋階段は巻貝のように組み立てられ、トカゲが公園の真ん中にどんと居座る。

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すごいなと思う。
自分の中に確固たる基準を持っていて、そこから真っすぐに行動へつなげるってなかなかできることじゃないと思うし、
他人にそれがどう映ろうが関係ないよ、と笑い飛ばすことのできる強さに、僕はすごく憧れる。

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実際、このグエル公園も、もともとは自然と芸術に囲まれて暮らせる分譲住宅として建造されていたのが、ガウディ本人とグエル伯爵の2人以外に買い手がつかず、グエル伯爵の没後に、市の公園として寄付された。
そんな経緯があって。

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その時代に僕が生きていたとして、じゃあその募集に手を挙げますかと聞かれれば、

少し悩んでしまうけれど、それでもやっぱり住みたいと思う。

効率とか理論じゃなくて、自身の根底にあるものを大切にしたい。
それくらい不確定な明日のほうが、僕はやっぱりドキドキするし、
きっとそれは、あてもなく虫取り網もって山に向かう、そんなあの頃があったからなんだと思う。

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希望の数だけ失望は増える、それでも明日に胸は震える、
そんな感じなんかな、ねえ、くるみ。

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蹴る、一歩目。

2013年9月21日

出国174日目。巡礼最終日。
17カ国目スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラにいます。

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歩く。
地面を蹴って進む。
左足に力を込めて地面を後ろに蹴る反動で、右足を前に出す。
そのタイミングで体重を右足に移し、今度は右足で地面を蹴り、左足を前に。

この地面を蹴る感覚の中で、一番好きなのは、100m走のときの一歩目のそれ。
どきどきしながら、スタートの合図に耳をすませる。
静かな数秒感のあとの銃声と共に、蹴る、一歩目。

なんてことを考えて、これスタートから何歩目なんやろと思いながら歩いたりしてた。笑

巡礼4日目はログローニョからナヘラまで29kmを歩いたあと、バスでナヘラからブルゴスまで。

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大聖堂特有のあのぴりりとした緊張感、僕はやっぱり好きやな。

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巡礼5日目はブルゴスからメリデまで電車とタクシーを乗り継いで、びゅびゅんと。
この日だけで400kmくらい進んだんじゃないかな笑。

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巡礼6日目はメリデからサンタイレーネまで29kmをてくてくと。

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そして巡礼最終日の今日、サンタイレーネからサンティアゴデコンポステーラまで23km。

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そして、ついに、ゴール!!

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アメリカ横断をした時にセドナで買ったお揃いのTシャツ。笑
100km以上歩いたので、巡礼証明書も貰って、ぱしゃり。

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証明書と一緒にもってるのは、巡礼手帳(クレデンシャル)というもので、泊まった宿や、立ち寄ったカフェなどに置いてあるスタンプを押していく。これが結構楽しい。

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うん、やっぱり嬉しいな、ゴール。
今回の巡礼は1週間だけで、途中バスも電車も使う、お手軽巡礼やってんけど、
それでも、嬉しかったし、ゴールの大聖堂見たときには、すごい感動した。

巡礼路800kmを全部歩くのには40日くらいかかって、
蓄積される疲労を抱えながら毎日この道を歩くのってすごいと思うし、
でもやっぱりいつかは全部歩きたいなと思う。

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ゴールの大聖堂にある十字架には、他の教会でも見られるα(始まりの意味をもつ)とΩ(終わりの意味をもつ)の文字が通常の位置と逆に彫り込まれていて、
巡礼の終わりは、新しい人生の始まり、という、サンティアゴ巡礼の象徴的な意味をもっている、とのこと。

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なんかいいなと思った。
歩き続けて来てゴールした最後の一歩が、これから歩いて行く次のゴールへの一歩目。
ありきたりな言葉かもしれないけど、それでもやっぱり、救われる言葉だと思う。

今回巡礼を通して再確認できたのは、道は続いているということ。
きっと、僕達の毎日もそれと同じで。

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ふと、ずっとひっかかっていた一節が消化されていくのを感じた。

「たどりつきたい場所があるわけでもないのに毎日毎日走りつづけてしまう。
そういう人間のなかに走るという行為に対する好悪を断言できるものなどいるだろうか。」
風が強く吹いている/三浦しをん

自分の行動に対して、理由も好悪もわからない、別にそれでもいいんじゃないかな。と今は思う。
続いていく毎日のなかで、いつだって僕達のつま先はゴールに向かっていて。
だから安心して、日々を重ねていけばいい。
地面を蹴り続ければいい。

その中でも、やっぱり僕が好きなのは。
ゴールでもありスタートでもある、喜びと期待感とともに、蹴る、一歩目。
そんな毎日を生きていきたい。

うん、巡礼楽しかったな。

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この日一番感じてたのは。

2013年9月16日

出国169日目。巡礼開始3日目。
17カ国目スペインのログローニョにいます。

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初日は、サンジャンピエドポーからロンジェスバージェスまでの28km。

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ピレーネー山脈を越えるこの道は、当たり前だけどアップダウンが多くてすごく疲れたけど、
初日ならではのわくわく感と、なによりも天気、景色がよかったのもあってすごく楽しくて。

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もちろん、ロンジェスの宿に着いた時には明日から歩けるんかなくらいの疲労感で。
でもそんなことよりなにより、いよいよはじまったなーっていう期待感かな、この日一番感じてたのは。

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2日目はロンジェスバージェスからスビリまでの22km。

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前日より高低差もなければ距離も短かったので、疲れを感じながらもなんとか。
初日みたいにすかっと晴れることはなかったけど、それはそれで雰囲気がでてよかった。

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サンティアゴ・デ・コンポステーラまで790kmという距離に改めて愕然としたり。

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巡礼カメラマンに写真を撮ってもらったり。

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いろいろあったけど、続いてる道ってすごいなっていう驚きかな、この日一番感じてたのは。

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3日目の今日はバスでびゅびゅんとログローニョまで。

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40日かけて全行程歩きたい気持ちはあったけど、今回は7日でゴールしないといけないので、早速歩かない1日。
途中牛追い祭りの町パンプローナに立ち寄りながら、夕方くらいにログローニョの宿へ。

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ここログローニョは美食の町とされていて、小道に立ち並ぶバルを何軒かはしごする、なんて洒落たことを。
してみたくなったのにも理由があって。

29歳になりました。そう、誕生日。

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祝ってもらえるのはやっぱり嬉しい。

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どういう一年にしようかなって考えたときに、
こうなりたいなってのは、いっぱいあるけど。
その中でもこの1年は、喜怒哀楽を大切にしたいなって思った。

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ぐるりと世界をまわるこの1年。
これまでにないような感情の動きがきっとあって、
そのなかで感じる喜怒哀楽を全部ばちんと受け止めていきたい。

喜びに逃げ込まず、負けるかもしれないからこそ挑んで、
怒りをごまかさず、そのうえで人を許せる人でありたい。
哀しみは大切に受け止め、かといって過剰に演じず、
楽しい日々に感謝して、忘れず、飾らず、求め続ける。

そんな向き合い方ができるように、なりたいな。

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歩いて進む毎日の中で、
山道をしんどいと思ったり、でもやっぱり景色がきれいでいいなと思ったり。
あれもこれも持ち歩きたいなと思ってわくわく荷物を詰めたり、でもそのリュックの重みをふと疎ましく思ったり。
いろいろあるとは思うけど、
この1年はやっぱり、しっかり歩いて進もうと思う。
ごまかさずに、全行程を、歩いて行こうと思う。
疲れたらふと立ち寄ったその町の小道に立ち並ぶバルを何軒かはしごする、なんて洒落たことを。
してみようかな、そんな29歳の始まりの日。

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世界一周にでて、ひとりになったつもりで、遠くまできたつもりで、
それでも誕生日は友達とすごせて、ワインを飲めて、
宿に戻って、みんなからのメッセージを読んで、うるうるする。

やっぱりひとりにはなれなくて、嬉しい。
そんな感謝かな、この日一番感じてたのは。

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今回は全部。

2013年9月4日

出国157日目。
13カ国目スペインのイビザ島にいます。

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夜のイメージが強いイビザ島やけど、
昼はどんな感じなのかなと、びゅびゅんと。

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これが思ってたより楽しくて。

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緑がわーってあって、
その向こうに青空がわーって広がってて、
その中をわーって進んでく。

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山も空も海もきれい。

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家も壁も車もおしゃれ。

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夕方には世界一夕日がきれいに見えるカフェとして有名なCafe Del Marへ。

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このカフェは夕日の時間になるとDJがその日その夕日にあった曲を、
ばっちりのタイミングで流してくれるっていう、
モテそうすぎるカフェで。
ゆるりと夕日を。きれい。すてき。

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うん、イビザ島めっちゃよい。
昼も夕方も夜も楽しくて、お酒も音楽もいっぱいあって。
ほんとによいとこ。

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山道を原付で走っていて思い出したのは、
大学時代に友達と二人で黒部ダムを目指した原チャ旅。

黒部ダムにどうしても行きたくて友達に
「黒部ダム行きたくない?原チャで行かへん?」と誘ったら、
「いいよー。俺、黒部さんって女の子のこと好きやったけどうまくいかへんかってん。」という返事。
「おっけー、じゃあ決定な。」と、後半は聞こえていないふりをした。

黒部ダムまで400kmみたいで、
とりあえず1日で帰ってくるのはきびしそうってことで、テントと寝袋をもって京都をスタート。
京都、滋賀をぬけて、まずは岐阜の養老の滝へ。
滝きもちいーってなって、流しそうめんを食べて、引き続き黒部ダムを目指す。

緑がわーってあって、
その向こうに青空がわーって広がってて、
その中をわーって進んでく。

めっちゃ気持ちよくて。
でも、あたりまえやけど、原チャリのスピード、しかも信号のある下道じゃ思うように進まなくて。
だんだん日が沈んできたなーってなったところで、下呂温泉の看板がみえたので、
今日は温泉でゆっくり疲れをとろうってことに。

思ったより疲れたなーってなって、黒部ダムまであとどれくらいやろーって調べたら、
あと200kmとかそんなくらいで。
え、ってなって。まだ半分やん、ってなって。
いや、1日走って片道の半分ってことは、全部で4日かかるってことやんってなって。
夜ご飯をたべながら友達と出した結論は、
「明日、京都帰ろう。」

で、帰りは名古屋経由でびゅびゅんと。
夕方過ぎには京都ついて、居酒屋養老乃瀧でご飯食べて、疲れたからスーパー銭湯いこーってなって、
あれ、この流れ昨日もあったやんってなって、
この2日間何してたんやろってなったそんな週末。なつかしい。

温泉に入りながら友達が、
「あーまた黒部さんに手が届かへんかったなー。」と、ぼそっと。
今回は全部聞こえていないふりをした。

カラフル。

2013年9月2日

出国155日目。
13カ国目スペインのイビザ島にいます。

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トマト祭が終わって、さて次どこ行こうかなってなって、
どうやらイビザ島に行く人が多いみたいってことで、
僕も僕もとのっかることに。

飛行機高いみたい宿高いみたい、って噂が迷いどころではあったけど、
夜行フェリーで36€でいけるよ宿も20€でアパートシェアできるよ、ってことで。
トマト祭熱の冷めやらぬうちにイビザ島へ。

イビザ島といえば泡パーティが有名で、
クラブで午前5時から泡まみれになってはしゃごう!みたいな、
トマト祭に引き続きただただ楽しいだけの時間が今回の大目的。

と、いうわけで、さっそく。
ご縁があってなんとGUESTとしてFreeで入れてもらえるというラッキー。
もうほんとに感謝しかない。

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会場となるのはamnesiaというクラブ。
泡パーティは毎週水曜と日曜にやってるみたい。

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基本的には泡パーティがはじまるまでは普通のクラブで。
朝5時くらいから、いよいよ感をあおる演出。

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その後カウントダウンがはじまって、3、2、1、で、どん。

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これが思っていたよりすごくて、
わいわいはしゃぎながら泡の中で踊るのも束の間、すぐに目の前が真っ白になって。

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泡に埋もれるとほんまに息ができひんくなるってのを学んで、
あぶないあぶないってなって、わたわたと泡の外に逃げ出して息を整えて、
でもやっぱりまた泡の中に行きたいーって飛び込んではしゃいで、
でもやっぱりまた溺れそうになって逃げ出す。
の繰り返し笑。楽しい。

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泡が終わればホースで水をだーってかけられて。
泡を落としながらも、まだはしゃぐ。

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で、まあ楽しくてしょうがないから、
水で泡を落とした後にも、また泡のプールにダイブしたりして、わいわいしてると、
突然、「Go out!!」と怒られる。
え、さっきまであんなに、、って言い返そうとしたところにまた「Go out!!」。
わかったわかった、最後にトイレでこの泡ながして、、って頼もうとしたとことにまた「Go out!!」。

仕方なく泡だらけのまま外に出て、茂みに隠したシーツで暖をとりながら宿へ。
(今思うと、クロークにいれた方がよいかも。
3€で使えるし、茂みに隠すと結構盗られるみたいやし。
ってか茂みにシーツ隠すってなにそのファンタジーな節約方法。笑)

そんな感じの泡パーティ。
トマト祭同様はじまるまではすっごい暇やけど、
はじまってからの楽しさの突き抜ける感じがすごい。
ほんとに楽しかった。また行きたいな。

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赤色は赤ちゃんという言葉があるように出生を意味し、
白色は死装束の色のに使われるように死別を意味する。
そんな話を聞いたことがあって。

先週のトマト祭りで赤に塗れて、昨日の泡パーティーで白に埋もれた僕は、
この一週間で人生を駆け抜けたことになるのかなと、ふと思った。
こんな駆け抜け方ができているなら、本望。

もちろん、赤と白だけじゃなくて、
青い海にはいって泳いだり、緑の芝生の上で走りまわったり、
バレンシアのオレンジジュースの美味しさに驚いたり、イカ墨のパエリアで歯を真っ黒にしたり。
いろいろな色があって。

僕たちはやっぱりカラフルな世界を生きていると思うし、
僕はそれがとても気に入っている。

勢いに任せて突き進む情熱的な赤い日も、冷静な視点から物事を眺める青い日も、
うまくいかない黒い日も、ふと光がさすよな黄色い日も、
なんにも考えない真っ白な日も、恋に落ちてく桃色の日も。

どの色がいいとかではなくて、いろんな色があるのがいい。
混ざったり滲んだりしながら、一色一色映えるのがいい。

「ときには目のくらむほどカラフルなあの世界。
あの極彩色の渦にもどろう。
あそこでみんなといっしょに色まみれになって生きていこう。
たとえそれがなんのためだかわからなくても。」
カラフル/森絵都

うん、色まみれになって生きて行こう。
カラフルな世界の、カラフルな日々を。

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血湧き肉踊りトマト投げる。

2013年8月28日

出国150日目。
13カ国目スペインのブニョールにいます。
そう、トマト祭に参加してきました。

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トマト祭は毎年8月の最終水曜日に行われる収穫祭。
トマトを投げあう、もうただそれだけの祭に、前夜祭から意気揚々と乗り込んで。
まあ前夜祭っていっても道ばたで参加者がわいわい祭を待ちながら飲むだけで、
なんならトマト祭の開始は9時とかで、トマトがくる時間に到っては11時とかやから、
前夜祭から参加するとおそろしく眠いまま祭が始まるねんけど、
わいわい飲む楽しさをもちろん優先。
いろんな再会もあって既にめっちゃ楽しくなって。

で、トマト祭。
いろいろおかしいとこはあるねんけど、まずスタートの合図がおかしい。
5mくらいの棒にめっちゃ石けんを塗って、その先に生ハムをつけて、それを誰かがとればスタート。
いや、トマト関係ない笑。

しかもこれ難しすぎて全然とれへん。
頑張って登ってみたけど、めっちゃ滑るし、もみくちゃになるし、落ちるし。
だいたいそんな時間が2時間続いて。
いや、トマト関係ないとこ長い笑。

ちなみにこの2時間の間、豪雨になったり、家の屋上から水かけられたり、
寒さと眠さで、自分が何してるかわからんくなるタイムが来て。
だってトマト投げたくて来てるのに、
オール明けでめっちゃ眠い中、生ハムめざして棒のぼって膝とか打撲して、
全身びっしょびしょになって寒さで震えてるところにさらに水かけられるねんで?笑
いや、トマト関係ないとこ辛い笑。

このときは、もうトマトひとつ投げれたらいいや、
それ終わったらさくっと帰ってあったかいシャワー浴びて寝よう、と思ってただただ耐えてた。

そんな中ようやくトラックが。トマトを積んだトラックが。会場の狭い路地へ。
いよいよの、いよいよ。
もうこうなったら一気に体の血が巡って、
ひとつ投げれたらなんてそんな約束もトマトと一緒に投げつけてやろうくらいの、
血湧き肉踊りトマト投げるわくわく感。
ここから待ちに待った楽しすぎるミラクルタイム。

まず、みんなにトマト供給するために、トマトを運んで来たトラックの上の人がトマト投げるねんけど、
めっちゃ狭い路地をトラックが通るから僕ら参加者は端っこに避けなあかんくて、
まあそらそうかと思っておとなしく道の端っこにいると、
トラックが通りすぎるタイミングで頭の上からこれでもかってくらいのトマトが、
いやもうトマトなんてかわいいもんじゃなくて、赤い爆弾が投下されて、
いやいやいやってなって、そんな端っこに追いつめたうえに高低差を利用した攻撃ってなにそれってなって、
おかしいおかしい痛いおかしい、って叫びながらとりあえずトラックが通り過ぎるまでは
目の前で腕をクロスさせる、小学校のときの鬼ごっこのときのバリア以来のポーズで守りきって
トラックが通り過ぎると同時に、道に落ちてるトマトを手に取り、
やりようのない切なさと痛さと楽しさを、手当り次第に投げあって。
トラックが5台通り過ぎた頃にはもう道も壁も全身も真っ赤で。
みんな叫ぶわ笑うわ投げるわで、もうすごい。楽しい。

寒くて眠くて痛くて、そんな中、
トマトを投げられては叫ぶ。トマトを投げては笑う。
楽しすぎる。

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これだけ人がいれば、
ここに来る途中にガム踏んだ人とか、
最近仕事うまくいってないなーみたいな人とか、
なんなら昨日彼女と別れた人とかもいると思うねんけど、
そんな人たちが、みんな一緒に投げる、それぞれの人生とは全く関係のないトマトを。
最高すぎる。

欲しいものを集めて、食べたいものを食べて
僕たちの周りにはいつも、最適のなにかが、そのとき必要な何かがあるけれど、
この日この場所、僕らの周りにあるのはトマトだけで。
もうその関係なさが楽しすぎて、無責任さが嬉しすぎて、気がつけばトマトの中にダイブしてた。

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理由とか説明とかそんなものはいらなくて、
反省もいらないし、夢なんて持ち込まなくていい。
構えなくていいし語らなくていいし気にしなくていい。

思うがままに叫んで、何も思いつかなければイェーイでよくて、
手を伸ばしてトマトつかんで、勢いつけて投げればいい。
嬉しかったことや楽しかったことを、全部右手のトマトに込めて、
悲しかったことも悔しかったことも、握りつぶして投げればいい。
もうほんとにそれだけの時間。

ほんとに楽しい1時間。
はじまるまであんだけ辛かったのに、
ただただ楽しかったような文章になってしまうあたりも含めて、
トマトすごい。
トマト祭すごい。

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あー楽しかったな。