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喜怒哀楽が、映える。
出国446日目。
34ヵ国目ブラジルのナタールにいます。
W杯の日本戦を現地で観戦。
ずっと行こうときめていたわけでもないし、
なんならサッカーに詳しいとかそういうのでもなくて。
せっかく南米にいるねんからと、通りがかりのお祭りにふと立ち寄りました、
くらいの感じで参戦したW杯。
日本代表としての結果は予選リーグ敗退で
それはやっぱり悔しかったけど。
でも、やっぱり来てよかったと思った。
W杯ってこんなに興奮したっけっていうくらい、
ずっとどきどきしてたし、お祭りに溺れる感覚ははじめてで。
自分の中から出てくる声援がその場にある熱狂に溶け込んでいく心地よさと、
心地よさとかそんなの関係なく出てくる声援と。
どういう言葉が最適かはわからないけれど、
目の前にひろがる光景が、ここでしか行われていない現場感、
もちろん世の中のすべてがそうなんだけれど、
世界中の注目する90分が行われているその会場にいること自体の興奮はすごくて、
熱狂とか歓喜とか悔しさとか消失感とかが混じる、カラフル。
勝ち負けってのはやっぱりあって、だからこそ嬉しいしだからこそ悔しいし。
いつかは勝ち負けがはっきりするからこそ、そこへの道のりにある喜怒哀楽が、映える。
勝ち負けの無い世界に対する憧れだってもちろんあるけど、
それでもやっぱり、触れ幅のある勝ったり負けたりのこの世界がやっぱり好き。
もっともっと、感情に溺れるくらいが、ちょうどいい。
点と点との間の空白の世界と。
出国429日目。
33ヵ国目エクアドルのガラパゴス諸島にいます。
道を歩けば亀がいて、
海で泳げばペンギンもアシカもいて、
空にはクチバシと足が青いアオアシカツオドリがいる。
そんな噂の楽園へ。
一番始めにガラパゴス諸島の名前を目にしたのは、
小学校の頃の国語の教科書。
ガラパゴス諸島には珍しい動物がいっぱいいて、
それはその島国の環境が、、みたいなそんな説明文やったっけな。
そのときに強烈な憧れを抱いて、、とかそんなわけではないけれど、
それでもそんな世界があるんやーって素直に驚いた記憶はあって。
そんなところに来たのかーってのが空港に降り立っての感覚。
そこにはその説明通りいろいろな動物がいて。
写真で見た通りの青い海があって、砂浜があって。
でもやっぱりそれだけじゃなくて。
雨が降ることもあれば、普通の人の生活もあって。
点として認識していた世界と、点と点との間の空白の世界と。
ガラパゴス諸島は、そのどちらも楽しくて、
またいつか訪れたいなと思えたそんな場所。
そしてそういう場所を離れるときにふと感じるのは、問題集の最後についている答をのぞき見るような感覚。
こういう全体像の中の、この部分が説明されていて、この部分があの写真で。
写真も言葉も、どうしても切り取ることしかできなくて、
写真だけでは、言葉だけでは、その場所を正しく表現することは出来なくて。
でもだからこそ、無責任に言ってしまえば、好きに切り取ることができて、
写真には、言葉には、個々の感情をのせることが出来る。
そうなんだけれど、それだけじゃない。
それだけじゃないけれど、それは確かにある。
全てを正しく捉えるだけでは面白くなくて、
だから時にぶらぶらと歩きながらその中にある感情を切り取る。
そこには納得もあれば驚きもあるし、
楽しい気持ちになることもあれば、悲しい気持ちになることもあって。
ひとつの点を切り取るという行為に対する違和感を感じることももちろんあるけれど、
それでもやっぱり、正しく全てを書き写すためだけに時間をすごすのはもったいない気がして。
だから僕は写真を撮るのも、誰かの撮った写真を見るのも好きで、
文章を書くのも、誰かの書いた文章を読むのも好きで。
そしてもちろん、
そういった色んな人の感情をのせている実際の世界を訪れるのが、とても好き。