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だからBurningMan。
出国519日目
37ヵ国目アメリカのブラックロックシティにいます。
BurningMan2014にどどんと参戦。
BurningManってのは毎年8月末にアメリカのネバダ州で開催される、
砂漠に一週間だけ街を作ってそこで飲んで笑って遊ぼう、みたいなそんなお祭り。
そこではお金はなんの意味も持たなくて、優しさと思いやりで成り立っていて。
架空の街で1週間はしゃぐだけはしゃいで最後にその街の象徴である”Man”を燃やして解散、
だからBurningMan。
洋服も常識もシャイな気持ちも面倒なものは全部脱ぎ捨てて、
アートと音楽とお酒にひたってみんなでわいわい騒げば、ほら楽しくない?
みたいな、そんなファンキーなお祭り。楽しいに決まってる。
まずはロスで買い出し。
水とかお酒とか食料とか自転車とか。
全部どかんとつめこんで、でっかいバンで会場を目指す。
聞かなくても行き先のわかる車と運転手。
もうすでに始まってる感がいっぱいで、どきどき。
で、どうにかこうにかブラックロックシティへ。
ちなみにこのブラックロックシティってのも架空の都市の名前でこの1週間だけしか存在しない。
そんな半径1.2kmくらいの扇形に広がる夢の街にはじめて足を踏み入れて感じるのは、
やっぱり期待感と高揚感。どきどきとわくわく。
ここからの1週間はほんとに怒濤で。
あっというまに日が暮れて、あっというまに日が昇る。
右も左もわからないままふらりと出歩いて気づくのは、
右も左もわかる必要ないんじゃないかなってことで\。
すこし歩くだけで何かの作品にぶつかる、ながめる、おどろく。
会場内にはいろんなアートカーが走っていて。
乗ることじゃなくて、見せることを意識しているかっこよさはやっぱりすごい。
夕日を浴びながら飲むお酒は最高で、そこに音楽が流れていれば当たり前のように人も集まる。
楽しくて人が集まって、人が集まって楽しい。いい時間。
迷いそうになれば、上を見る。
どこにいても中心にあるManが見える安心感。
自転車で走っていると、「チェックポイントだよ、お酒は飲んでる?」とお兄さん。
飲酒検問とかあるんやと思いながら「今日はまだ飲んでないよー。」と答えると
「それはダメだね。もっと飲まないと楽しめないよ!口開けて!」と上からウイスキーを流し込まれる。楽しい。
なにか拍手してるなと思えば、そこでは結婚式。
新郎も新婦も最高にいい笑顔で思わず魅入ってしまう。
幸せってきっとこういうこと。
景色も登場人物も素敵で、でもそれだけじゃなくて。
毎日夕方に街灯を灯す人たちがいて、なんかそういう物語へのこだわりはすごい感動した。
砂煙で前が見えない時はゆっくり歩けばいいし、
どうしていいかわからなければ神様に相談だってできる。
BurningManってそういうところ。
楽しいことがいっぱいあって、いてもたってもいられない、そんな感覚。
全裸で風船纏って小さい自転車で走り回りたくなる、そんな感覚。
背景がしっかり描かれていて、でもそれ以外は真っ白で。
その物語に登場できる、ってこと以外、台詞も立ち回りも小道具も全て任されていて。
だからこそ迷うし、だからこそ思い切れる。
夜はもっともっと盛り上がる。
暗くなれば、光で遊ぶ。
カラフルが見えなくなる分、火の持つ力はやっぱり偉大。
見えないから見える。暗いから明るい。
人がいっぱい集まってるドームがあって近づくと。
天井から人が吊るされていて。
せーので。
殴り合う。
嘘みたいな世界が嘘みたいに面白くて、びっくりした。
どこに行っても音とお酒が溢れていて。
もちろんそこには人がいる。笑顔がある。楽しい空気がある。
みたいな感じで遊んでたら、いつの間にか空は明るくなって。
みんなが自転車で向かうその先にあるのは朝日。なんかいいなって思った。
そんな1日の終わり。1日の始まり。
はしゃいでは飲んで、飲んでは遊んで、遊んでははしゃぐ。
楽しくないわけのない毎日。
そして最後にはManburnとtempleBurn。
全部燃えておしまいおしまい。
物語らしい、さよならの合図。
この1週間、ずっと視界にはいっていた、自分の場所を把握するのに欠かせなかったManが燃えているってのは、もちろん悲しくて寂しいけど。
達成感みたいな解放感みたいな、そんな心がふっと軽くなる感じはあって、
でもそれにぴったりの言葉をきっと僕は知らない。
これまでバーニングマンの説明をするときに
思いっきり遊んではしゃいで最後に象徴である”Man”燃やすお祭り、
そんな説明していたけど、少し違う気がして。
“Man”が燃えるその時まで、思いっきり遊んではしゃぐお祭り、
っていう表現の方が正しいのかなって思った。
はしゃぎました遊びました、十分これで満足したから、最後に燃やしましょう。じゃなくて。
もうすぐ燃えてしまう終わってしまう、だから思いっきりはしゃぎましょう遊びましょう。なんじゃないかなって。
順序だった起承転結を組み立ててる余裕も必要も無くて、
あれもしたいこれもしたい、わー時間ないなー、まーいっかー全部しよーってはしゃぎあう。
お互いを思いやって、認めあって、乾杯して、笑いあって、抱き合って、またねと別れる。
きっとそういう場所、そういう時間。
「いつか無くなるものを求めちゃいかんのだよ。
無くなるものは、求めるためではなく、
そいつで遊ぶために、この世にあるんだからな」
この言葉がすごく好きねんけど、
この言葉をお祭りにしたら、きっとこんな感じ。
だからこのお祭りもすごく好き。
絶対楽しいと思って参加したBurningManは思った通りに楽しくて。
途切れること無く流れつづける音楽があって
砂漠の中になんの違和感もなくアートがある。
嘘みたいに光り続ける架空の街のなか、
思い思いの格好で飲んで踊って笑って跳ねる。
すれ違い様に声をかけあう楽しさと
、奇跡的な再会に喜んで抱き合う瞬間と。
理由も無く必死でこぐのはペダル、
時々おこる砂嵐のせいでかけるのはブレーキ。
夕日がきれいに見えるのは、きっと
みんなが同じ方向を見てるから。
流れ星が絶え間なく流れる星空、
その下をゆっくり歩きながら感じるのは春と夏と秋と冬。
お酒のせいにしたくないよな夢心地の中、
思いついたこと全部口にしたところで誰にも届かない。
ふと思い出してしまうあの日の情景が、
当たり前のように目の前の景色に溶けて燃える。
気がつけば昇りだしている朝日の眩しさで、
1日の終わりにようやく気づいて眠る瞬間の心地よさ。
全部にぐるりとかこまれて、そこで乾くまで疲れるまで飽きるまで、飲む踊る笑う。
嬉しくて愛おしくて寂しくて怖くて有り難くて物足りなくて、楽しい。
来てよかったし、また来たい。
もっと遊びたい。飲みたい。話したい。笑いたい。はしゃぎたい。
いつか燃えてしまう前に。