子供は散らばって点を描く。
出国208日目。
21カ国目スーダンのハルツームにいます。
何もない町、かどうかすらわからないくらい、
特にどこにいったわけでもないねんけど。
それでも、なんかいいなあ、と思った、そんな町。
毎週金曜日、広場にみんなで集まって踊って祈る
ジキルダンスというのがあって。
ばらばらと人が集まって、
ばらばらと始まって、
ばらばらと終わる。
大人が集まって輪になる中、
子供は散らばって点を描く。
うん、素敵。
スーダンは人がいい、そんな話を聞いていて。
確かにそうだと思う。
挨拶をすれば笑顔で答えてくれるし、
なにかにつけてお金を請求してくることもないし。
でも、少しひっかかるのは。
スーダンは人がいいよっていうみんなの話を聞いたから、
僕もそう思うようになったような気がしていて。
それは、単純に情報を鵜呑みにしました、ってことではなくて。
この国は人がいい、っていうのを聞いたうえで、その国の人に接する時、
やっぱり笑顔で接するし、そうすると、相手も笑顔で返すんじゃないかなって。
もし他の国でもこういう接し方をしていたら、その国でも笑顔が返ってきたんじゃないかなって。
情報を集めるなかで、いつのまにか自分の感情まで誰かに作られているんじゃないかと思うことあって。
こういう歴史があって、人口はこのくらいで、こういう交通手段がある。という事実。
ご飯がおいしくて、人が優しくて、宿がすごしやすい。という感情。
もちろん完全にわかれているものではないけど、でもしっかりと線は意識していたいな。
事実はしっかりと知って、感情はじっくりと整理したい。
すべてをポジティブに捉える必要はないと思うけれど、
先走った情報だけで片側だけの感情をなぞるのは、やっぱり違う。
完全にフラットの状態で、なんてたどりつけない理想に溺れるわけではなく、
なんていうか、感情のきっかけがある、ということをきちんと意識したうえで、
捉えて感じて考えていきたいなと思った。