「Welcome!!」と「Eat!!」
出国127日目
10カ国目のイスラエルのエルサレムにいます。
イスラエルは地中海に面した中東の国で、、えっと、、、
と、ここでキーボードを打つ手がとまるのは知っていて。
いつも通り、ここでようやく検索する、宿にある地球の歩き方を読む。
いろんな宗教、民族がだーっていて、分離壁等のパレスチナ問題を抱えてるところ。
そうかそうか、パスポートにイスラエルの出入国スタンプがあるだけで入国拒否をする国があるくらいやもんな。
物価もとんでもなく高くて、コーラの350ml缶が200-300円くらいする。
今回、そんなイスラエルに来たのは、
イブラヒムおじいさんという人に会いたかったから。
イブラヒムおじいさんは、エルサレムに家があって、
その家には誰でも泊まってよくてご飯もめっちゃででてきて、
宿っていう形式ではなくて、宿泊者の寄付によって運営されてるみたいなところのご主人。
僕も噂でゆるっと知ってるだけねんけど。
口癖は「Welcome!!」と「Eat!!」、めっちゃお茶目で優しくてすごい人。
聞けば聞くほどに魅力的で。気になってしょうがなくて。
家の場所はオリーブの丘にある、以外の情報はなかったけど、
そのに向かうバスに乗れば、もうみんながその家を知っている。
そんなところ、そんな人。
と、いうわけで、訪問することに。
ヨルダンを朝に出て昼過ぎには着いた。
イブラヒムおじいさん、どん。
笑顔素敵すぎるし、面白いし、すごい。
噂通り、「Welcome!!」と「Eat!!」の連発。素敵すぎる。
「一番いけないのは、お腹が空いていることと、 一人でいることだから。」
そんな映画サマーウォーズを思い起こさせるような、振る舞い、もてなし。
そら人も集まるわ。
旅行者だけじゃなく、いろんな人がこの家には集まって。
町をあるけば、イブラヒムおじいさんはみんなに声をかけて、声をかけられて。
あれ、この国ってこんなとこなんやっけ?本で読んだのと違う、検索したのと違う。そんな気持ちになる。
もちろん僕が見たのはほんの超一側面だけだけど、
そういう側面があるということは、検索窓に「イスラエル」を入力するだけではでてこなくて。
ふと、小学校の時の道徳の授業を思い出した。
先生が黒板を4つにわけて、世の中の物事は4つにわけれますよ、みたいな話をはじめて。
授業中に寝るという選択肢を知らなかった小学校3年生の僕は、ふんふんと聞いてたんやけど。
自分もみんなも知っていること。
みんなは知っているけど自分は知らないこと。
自分は知っているけどみんなは知らないこと。
自分もみんなも知らないこと。
この4つです、と、チョークを走らせて。
なんかずるいなーと思いながら、
でもなんとなく、すごいことを聞いた気がしてどきどきした。
今僕はいろいろな国をまわっていて。
いろいろな国で見たり聞いたりしながら、読んだり調べたりしたことを確認したり違和感を感じたりしている。
この国は〇〇です。
そんなふうに句点一つで表すことができるような国なんて歴史なんて人なんてあるわけなくて。
調べたり聞いたりした世界に、自分の目で見た世界を重ね塗る。
もちろん、それでもまだまだ足りないんだけれど。
なんていうか。
多くの文章を読みながら、一冊の本を読み進める。
文字を追いながらも、行間に目を凝らす。
そんな日々なんだろうな、なんて思いながらぼんやりとソファに腰をおろす。
そんなとき、声がかかる。
振り返るとイブラヒムおじいさん。
「Welcome!!Eat!!」
この言葉でこんなにも幸せな気持ちになることを、
今の僕はもう知っている。